前回までの話
半年間、タイミング法やってもダメ、
3回した人工授精もダメで。
体外受精すればすぐにできるでしょ。と思い、
38歳の夏、8月に、私は初めての体外受精をした。
採取した精子をかけて、受精させるというもの。
排卵日に病院へ行き、「採卵」する必要がある。
その「採卵」へ向けて、たくさん卵ができて、たくさん取れるように、排卵誘発剤を投与する、と言われた。
しかも大学病院なので、基本は土日は休み。
だから、平日に採卵できるように逆算されておそらく誘発剤を打つ。
どれくらい打ったらどれくらいの効果が出るかは個人差ある、ということで、最初はmaxの状態でしてみて、その後の様子を見る、ということになった。
1週間、ほぼ毎日、注射をしに病院へ。
これが、筋肉注射だからものすごく、痛い!
自宅でできる注射だと皮下脂肪注射だからそこまで痛くもないのだけど、これが、目玉が飛び出るほど高い。おそらく、1週間自宅でやったら、1回の体外受精代くらいになる。
私は、仕事してなかったから、病院通いできたけど、お勤めしながら体外受精するのって、本当に大変だと思う。
突然「明日〇〇時に来てください」とかだし、
大学病院だから、たった1本の注射のために半日はつぶれるし(完全予約制にもかかわらず待ち時間がものすごく長い)。
私は、注射が大っ嫌いっで、インフルエンザの予防接種とか、任意になって以来一度も受けたことない。
できるだけ注射を避けて生きてきた。
その避けてきた分を埋めるかのごとく、体外受精を始めてからは注射三昧だった。
一生分の注射をしたと思う。
そして、
これだけ注射をしたおかげか、卵巣にはたくさんの卵子があった。
そしていざ、初めての「採卵」の日。
主人も会社を休んで付き添ってくれた。
注射も痛かったけど、採卵もこれまた痛い。
私は、痛いのが本当に嫌いで。
採卵後は、痛くて泣けてきた。
あー、でもこれが終われば体外受精して、卵戻して、、
だから、私、頑張ろう。
こんな痛みなんのそのだ。
通常、採卵した後の卵子に、同じ朝に採取した精子を卵子にかけて、そして培養していく。
細胞が分割して3日か5日たった受精卵を子宮に戻すのだ。
採卵が終わった。
「なんかドキドキするね。」と、半分泣きながら、主人とそんな話をしていた。
そして待っていると、看護師さんが来た。
「久松さんの卵は全部「空胞」でした。後で、また診察がありますので、しばらくこのままお待ちください。」
空胞?
空胞って何?
意味がわからなくて、一瞬、頭の中が真っ白になった。
どうやら取れた卵子の中身は空っぽだったということだった。
確か、この時3つくらい取れて、その全てが「空胞」だった、とのことだった。
そりゃ今まで、子供ができないわけだ。
なんの問題もない、と言われても、肝心の卵が空っぽだったなんて。
私は、どう声を私にかけていいか戸惑ってる主人を前に、また泣いた。
なんだか、今まで一喜一憂してたのが馬鹿みたいじゃないか。
こんなことがあるなんて、体外受精をしなければ分からなかった。
そうか、私の卵は、空っぽだったんだ。
この時、体の力が抜けて、とても無力感に襲われたことを今でも覚えている。
続き⬇︎
前回までの話
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